千葉の茅葺き民家


東京湾を懐に太平洋から関東地方をがっちり守る形の千葉県は、温暖な気候に恵まれ秋に来襲する台風以外大きな気象の変化が無い所為か民家の形に余り変化は見られず、安房、上総、下総とも細部、地形の違いを除けば殆ど寄棟、直家形式でした。
特徴としては殆ど全ての民家の棟が「雁振り瓦」と呼ぶ大きな丸い瓦での棟仕舞いでした、丸瓦の棟仕舞いは東京・神奈川では5枚、九州の佐賀では1枚でしたが千葉では私の見た限り殆ど全て3枚で作られていました。

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市原市中野 (1973.12)

優しい緩い棟角度の寄棟・直家造り 丸瓦の棟仕舞いは殆ど同じでした。

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陸沢町上之郷 (1973.12)

  黒潮に乗って来た南方系民族の民家 形式か?と言われる分棟形式の民家 を同じ半島の三浦三崎でも見ました。

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長柄町六地蔵 (1994.4)

安房、上総とも基本的に同じ形でした。

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習志野市 (2009.4)

  県内の「雁振り瓦」は殆ど3枚でしたが、江戸に近い 御成街道沿いの名主の役宅は5枚でした。