山梨の茅葺き民家


山梨の民家の特徴はなんと言っても鋭い傾斜の切妻造りで独特なやぐら造りの民家です、切妻造りは全国的にも珍しく飛騨の「合掌造り」大和の「大和棟造り」そして甲州の「切り破風造り」が代表的ですが山形の平野部、福島の一部で曲がり屋の曲り部分が切妻に造られて居るのを見ました。(山形・福島の項参照)
県北の大和村、塩山、勝沼、山梨、甲府に多く韮崎、高根、長坂では形が小型になり長野に近くなると無くなっています。 養蚕の採光、通風の為の工夫は各地で様々な形で成されています、上州、赤城地方の平側を切って開いた「切り落とし」に対し甲州では同じ平側の一部を開いて、「押し上げ棟」と呼ばれる屋根と棟の中央に一部を上に押し上げ通風、採光の窓を付けた形、又は「突き上げ二階」と呼ばれる屋根の一部全体を二階風に突き上げ手摺りなど設けた形になっています。
富士川沿いの身延、下部、富士五湖周辺には富士川流兜造りと呼ばれる、寄棟の妻側開いて通風口にした独特な形があります、この形は神奈川の道志川を下って相模湖、東京多摩川上流の奥多摩、埼玉奥秩父、更に福島の一部に広がっています。(神奈川、東京、福島の項参照)

  
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塩山市一ノ瀬 (2000.7)

 切妻造りの特徴である棟まで通した うだつ柱が良く見える民家、塩山から 柳沢峠を越えた奥にたった一軒残って いました。
最近ブームになりアマチユア カメラマンが荒らした後なので説明や 世間話をして撮影OKが出るまで2時間 位い掛かりました。 、

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 大和村天目  (1974.4)

  赤城の「切り落とし」と対極にある 「突き上げ二階」の見本展の様な集落。
武田勝頼終焉の地、景徳院よりさらに奥。

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長坂町成田  (1975.9)

甲州街道を西へ行くと切妻は甲府市内迄 で入母屋になり大型の煙出しに変ります。

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忍野村忍草  (1977.2)

身延、下部、富士五湖、道志川、多摩、 にかけて見る勇壮な富士川系兜造り、 富士山の形を模したと言われるが
了解。