飛騨民族村、飛騨の里  高山市


岐阜県高山市神岡本町
高山本線高山駅から2キロタクシーで5〜6分の交通便利な所に在り、大きな池とそれを利用した環境造は単に見せるだけでなく雰囲気を十分愉しませてくれます。
高山見物の観光客の訪れが少ない様でゆっくり静かに参観することが出来ます。 この地方で有名な合掌造り民家だけでなく飛騨高山地方や神岡、茂住地方で栄えた鉱山に関わる暮らしを残す民家など貴重な資料が展示されて居ます。
特徴としては学芸員の方が充実している事です、皆さん飛騨の事に驚くほど精通されて居られます、それもその筈、この地方の学校長、教育委員等を経験された方々だそうです、私も色々教えて頂きました。

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富山民族民芸村  富山市


富山県富山市安養坊56-1
事前の知識は無かったのですが、市内でホテルを探している際、見た標識を手がかりに翌日訪ねてみました。 ~通大橋を渡って呉羽山頂へ向かう入り口に五百羅漢、陶芸館等と共に茅葺き民家二棟が有ります、
民家に関しては小規模ですが内容は濃く、深い専門知識を持った学芸員の方が各家に居られ富山地方の特色や情報など詳しく説明して頂きました。 各地のいわゆる民家村で何の知識もやる気も無い只居るだけの地方公務員の学芸員と称する役人に数多く接して来ましたが此方は本物、ほっとする気分でした。

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浮田家住宅  國指定重要文化財


富山県富山市太田南町
加賀藩より奥山絵図方を承り、元禄六年奥山廻役を拝命、後に代官職も兼ねた江戸時代中期の豪農民家の形式を残す建造物です。 奥山廻り役とは立山、黒部一帯の山林保護や国境警備の為奥山の巡視を行う役職ですが、当時盛んであった飛騨、立山地方の鉱山 資源の監視が重要で有った様です、巡視の出発にあたり供の者や農民から「見たり聞いたりした事」一切口外してはならないと文書に取って 出かけたそうです。
三千石の格式の有った家ですからその豪壮さは見事です、市の管理も細部まで行き届き文化財とは名ばかりの廃屋同様の多い中 是非お勧めしたい民家です。

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中家住宅  國指定重要文化財 (環濠屋敷)


奈良県生駒郡安堵町字窪田
環濠屋敷とは大和に多い環濠集落の一種で、防備、水利、排水などの目 的により鎌倉時代の終わり頃発生した集落の形式(中家の魅力より)
中家は日本に残っている唯一の環濠形式の民家では無いでしょうか?木曽川沿いの幾つかの町の豪華な町役場で同じ趣旨で造られた「輪中集落」に衝いて訪ねたところ職員はその言葉すら知らず、やっと見つけたのは地方紙に載っていた数メートルの石垣だけでした。 中家には見事な大和棟、多くの文化財、美術品が有りますが私としては庄屋として祝事や河川洪水、修復に多くの人手を要する際使用する十一の焚き口の連なる竈に眼を惹かれました。
中家を訪ねる際には郡山市民族文化博物館で大和棟が出来る前の古い大和の民家を観察し、平群町藤田家の武士から帰農した大庄屋民家の砦の面影を一部に残す大和棟を拝見されて来られる事をお勧めします。
注1  環濠集落 上記の目的の為、数棟又は十数棟の民家が周囲に掘りを巡らし夜間橋を外して外敵の侵入を防いだ。
注2  輪中集落(わじゅうしゅうらく) 主に河川の氾濫から家を守るため堤防ではなく土を盛り上げその上に家を造った集落。

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堀家住宅 (国指定重要文化財)      
 

奈良県五條市西吉野町和田
最近の雨の降り方の物凄さを実感しました、大宇陀の重文片岡家で話しが弾み、少し遅くなっての御所市への道はワイパーをフルにしても良く見えない恐ろしくなる様な豪雨でした。
「南朝三帝の歴史とロマンが薫る隠れ郷」とタイトルするだけあって賀名生(あのう)の里はこれから深くなる熊野への路の険しさを想像させる谷間の入り口に有ります。
後醍醐天皇・後亀山天皇の皇居としてゆかりの堀家には又幕末、天誅組、吉村寅太郎の筆による「賀名生皇居」の扁額が納められています。
まるで造られた様にある渓流と滝そして後ろの山は春には桜、秋には紅葉と賑います          

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藤田家住宅 (国指定重要文化財)  

奈良県生駒郡平群町福貴
信貴生駒の東に延びる山麓、平群町を見下ろす高台の広い敷地に建つ藤田家は名主の家と言うより豪族の砦と言った雰囲気です。現在の建物は元禄年間に建てられ、18世紀後半明和年間に改築され、その50年後の再改築に際して瓦の使用と茅の量を減らす目的で大和棟に変えられ現在の美しい姿になったそうです。
藤田家は鎌倉期に上杉家に仕え、元和の頃帰農した武士の家で内部の造りで普通の農家では見られない特殊な構造がありお勧めします。

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おさごえ民家園


 福井市教育委員会 (福井市月見)
     福井駅の南西バスで15分位、足羽山公園と八幡山の間兎越山の麓に在ります、全国的にも珍しい「つのや造り」 の民家が5棟集められています、直屋の棟と直角に突き出した棟は曲り家、中門と同じですが高さの違った棟が片方又は両側に出ているのが特徴です。五棟の民家は越前北部、南部、若狭地方の形を見せてくれます。
福井大地震と高度成長で他の地域より消滅が早く私も殆ど記録する事が出来なかった有難い存在です。         

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板取宿


    福井北国街道  (福井県南条郡南越前町板取) 
天正6年(1578)越前を領した柴田勝家が軍用道路として整備して以来北国街道の峠の宿場して賑わってきました。現在は町の文化財として整備された2軒とまだ人の住んで居る数軒のこの地方では珍しい兜造りの民家です、福井側から上って行くと分かり易いですが、滋賀方面から来ると見落としそうなカーブの左に在ります。
右端の写真は1977年、30年以上前同じ位置から撮った物でかなり忠実に再現されて居るのが分ります。         

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坪川家住宅(千古の家)


     国指定重要文化財  (福井県坂井町丸岡)
  江戸時代初期の様式を残した県内最古の民家、小池泉回遊式庭園を有する豪華な民家、柱や梁が丸刃の手斧で仕上げられ時代をしのばせます。この地方独特の「つのや造り」で破風口に懸魚の付いた細かい抓格子の正面破風は豪快で一見の価値の或る物です。         

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望月家住宅 


国指定重要文化財 (新城市黒田高縄手)
東名高速三ケ日のインターを出て小さな峠を越し愛知県に入るとすぐ望月家に出会うことが 出来たのは愛知の民家を撮る事が出来ず悩んでいた1999年頃でした。民家研究の書で形や間 取り図を見ていた分棟形釜屋建て撞木造りの本物を見た時は感激しました。望月家の先祖は 長篠の戦いに敗れた武田の家臣でこの地に土着されたそうで、この家は元禄二年(1689) に建築され現在は優しい御夫婦が隣家に住まわれて大切に管理して居られます。

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