西方寺 (横浜市指定文化財)


真言宗 西方寺  (横浜市港北区新羽町)
民家では有りませんが、素晴らしい茅葺き建築です。 西方寺は建久5年(1190年)鎌倉の笹目ヶ谷に創建され、戦渦や天災に遭い足利時代 になり縮小され当地新羽に移築(明応四年)されました。
現在の本堂は江戸時代享保六年(1712),鐘楼は宝永五年(1708),山門は弘化年間(1844〜1847) の創建でいずれも平成九年に横浜市の文化財に指定されて居ます。 本堂、鐘楼、山門は平成十九年に解体修理された元禄時代の数少ない文化遺産です。
寺内には美しい庭園と広い駐車場が有り、園内には市指定の古木としての巨木が何本もあり、桜から紅葉まであらゆる木々や草花が植えられまるで「花の寺」 の趣です。         

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横溝家住宅 「横溝屋敷」(横浜市指定文化財)


みその公園  (横浜市鶴見区獅子ヶ谷)
横溝屋敷は横浜市の横浜市農村生活会館みその公園の施設として公開されています、 車の往来の激しい2号線から小さな岡一つの林に囲まれた静観な地に在ります、母屋 を囲むように長屋門、蚕小屋、穀蔵、文庫蔵が並び、江戸時代の農村生活(但し豪農) の原風景を見ることが出来ます。なかでも蚕小屋は横浜市内では数箇所見ましたが他 の養蚕地では見た事の無い貴重な建物です。紅葉の頃の午前中が素晴らしい。                  

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関家住宅   國指定有形文化財     


横浜市都筑区勝田町
当家は地元、隣の区に住んで居ながら拝観謝絶に掲示があるので30年位前長屋門の外観を記録しただけでした。 昨年徳島の三木家(國指定重文)を訪問した際三木さんからご紹介頂き始めて全体を拝見する事が出来ました。
江戸期には東海道の裏街道として大山詣でに賑わった中原街道が港北ニユータウンのマンション群から数百メートルの当家付近で復活している静かな環境に在ります。
関東南部のこの地方は低い岡による起伏が多く、住居は主に浅い谷間「やと」に建てられて居ますが、当家も北を岡と林に囲まれ東と南に開けた明るい立地に建てられた寄せ棟造りの母家、書院、長屋門で往事「名主・おだいかん」の威勢が偲ばれる建築です。

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門西家  國指定有形文化財  


山梨県南巨摩郡身延町奥の湯
身延山久遠寺と下部温泉のある山梨県南部の身延町、温泉街の最奥,車の入れない粗石敷きの急な坂道を上った所に門西家は在ります、7月の連日30℃を超す猛暑、この日も35℃近い暑さに坂道を上がった時はもうふらふらでした。
江戸期名主と関守を兼ねて湯ノ奥金山、山林等の管理をしていた家柄の門西家は養蚕に関わらなかった様でこの地域の主な形である富士川型かぶと造りでは無く直家の入母屋造りでした。山梨では甲州街道の切り妻、富士川沿い上九一色、忍野村のかぶと造り民家を多く見て居ましたので少し驚きました。



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市川家 県指定有形文化財    


山梨県南巨摩郡身延町和田
 門西家から10数キロ南下して身延駅を過ぎたカーブの先に有る案内板を曲がり細い田んぼ道を行くと美しい林をバックに市川家に出会います。
残念ながら現在保存家屋で無住ですが、活きたままの姿を残す本物の「かぶと造り」をご覧に成りたい方には是非お勧めします。市川家の概要は案内に有りますので省きますが、背景に緑の岡と竹林、前景に良く手入れされた稲田、西に面して建てられて居ますので余り早くない午前中気が絵になるとおもいます、気さくで親切な所有者の話を聞きながら民家を訪ねる旅を満喫する事が出来ました。

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西湖いやしの里根場


南都留郡富士河口湖町西湖根場   
40年前台風による土石流で殆ど集落全てが災害を受け消滅してしまった根場集落を再現した里です。
観光用に作られた物ですから本当の民家を求める方には物足りませんが、かなり忠実に再現されて居りますので,富士川系かぶと造りを富士山をバックに実物大で見ることが出来るのは壮観です。          

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林家住宅 千葉県指定有形文化財  



2月梅の花の咲く頃、千葉の民家に造詣の深いH氏にご案内を頂いて林家住宅の拝見に出かけました。 林家は大原幽学遺跡なかに有りますが大原幽学の住居ではなく幽学の設計による家だそうです、 幕末の農村指導者で世界初の農業協同組合を作った郷土の偉人である幽学の設計した民家は合理的なだけ でなく現代でも別邸として通用する様な瀟洒な茅葺き民家です。 東京方面から東関東自動車道路「大栄IC」経由ですが途中に佐原市の伊能忠敬宅、近くに香取神宮、 少し足を伸ばせば銚子の港が有り一日のドライブに最適です。 周囲に数十本の桜の樹が有ります季節の頃を選んで行けば最高です、お勧めします。          大原幽学記念館 tel 0479-68-4933



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房総の村 千葉県立    


 以前からの民家仲間H氏に誘われてまだ残暑の中、船橋駅で落ち合い房総の村を案内して頂きました。東関東自動車道路を北へ、成田空港へのジャンクションの出口で降り空港通りを成田市方面に向い成田山へ行かず真っ直ぐ6キロ位の所に在ります。
民家を撮り始めて40年近くなりますが、今まで民家村と言われる施設は2〜3箇所見ただけだすが始めて見た「房総の村」は今までの概念を全く変える存在でした。入り口は他所と余り変わらない造りでしたが展示の民家は広々とした敷地に実際に耕作している畑や草花に囲まれ房総に活す人々の生活を限り無く忠実に再現する努力に感心させられました、民家に興味のある方に是非一見をお勧めします。
入り口近くのイベント町並みにある手打ち蕎麦は抜群です。

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鴇田家住宅


千葉県指定有形文化財 (実籾本郷公園) 
関東では茨城、栃木北部以外では珍しい曲り家形式の住宅ですが南部、 秋田、新潟とは異なり曲がり部分に厩、入り口は無く台所、薪置き場になって入り口と 式台の付いた玄関は平の部分に有ります、曲り家と言うより鍵屋造りと思われます。 目に付いたのは千葉の多くの棟瓦が三枚なのに鴇田家は五枚でした、学芸員の話では 家の格式故になのではとの事。

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大沢家住宅


千葉県指定有形文化財 (藤崎森林公園)
内部の梁が二段になっている二重梁は大変珍しいそうで、複雑な構造がめに付きました。 寛文4年(1664)創建された当時の姿で現在地に移築され土壁になっていますが 解体時の写真では下見板になって居り時代の変化を感じさせられました。 棟仕舞いが太い竹を板状に割った物を多数で丸く棟を巻いた造りで始めて見るものでした。           

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小岩井家住宅 「名主の屋敷」


本郷ふじやま公園 (横浜市指定有形文化財)
豪壮な長屋門です、鍛冶ヶ谷村の名主を務めた家で役人を向かえる為式台を付けた 座敷があります。江戸末期ペリーの浦賀来航に際しては地理的に見て浦賀と江戸の 中間にある当屋敷は幕府役人が詰め早馬が走り回り大変な騒ぎだったと管理の方に 聞きました、歴史に興味のある方なら面白い場所に在ります。           

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田島家 


一之江名主屋敷  (東京都指定有形文化財)
 関東しかも東京に曲り家が在ると聞いて拝見に行きましたが、曲り家形式ですが 鍵屋造りでした、先に記した鴇田家と同じ関東南部から筑波、那須方面でよく見る 名主や豪農の民家形式、瓦巻きの屋根の姿がとても美しい。

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