世界の漁船2

6.PACIFIC QUEEN (カナダ バンクーバー)


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子供達も大きくなり家族旅行に行く旅先の湖などを散策する際、遠くみ霞む山並み、鏡の様な静かな湖面を見ると 小さなボートを走らせたらさぞ良い雰囲気だろうな、と残念な思いをする事が度々ありました、

しかしトランク一杯 レジャー用品の中にボートを入れたら一遍にメチャクチャになる事必然、そこで考えたのが出前箱形のポータブル船、 まずトランクに入る大きさの箱を考え、そのサイズからカナダ、バンクーバーで見た沢山のサーモントローラーの中から 小型で沢山の漁具を満載したパシフィク・クイーンを選び少し縮小して造りました。
ホテルに付いて夕食後走らせる事が多いので照明を派手にして見ました、雰囲気はグッドです、
欲張ってアウトリガーを 稼働にしたのですが小型のため動きがスムースに動かず要改良です。

約1/30 40cm  動力6V エンジン音38mm  レーダー・アウトリガー可動 


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走航会では皆さん不思議がる奇妙な箱
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船体・プロポ・マスト。漁具はベルトで固定
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エンジン音、走りも快適
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アウトリガー全開


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7.ROKKEN(フランス南部 地中海))


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本船もバルセロナで入手した観光パンフレットを資料として製作しました、地中海フランス南部と解説して有りましたが フランス・スペイン・イタリアの違いは分かりません、投げ込みブイの形はギリシャに似ていますが、巻き上げ装置や集魚灯 が有りませんのとラダーが外付けになって居るところから時代が少し古いのと思いますが、私にとって雰囲気が大事なのでそのまま 造りました。

約1/25 45cm  動力6V エンジン音38mm   


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最近は漁船のテイルをシャープにカットした
のが多いですが 温か味のある丸形が好きです
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船の割りに大きな帆は転覆を防ぐ為フリー
にして有ります
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大きなヤツが捕れたぞ
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先ずは一服


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ハルのサイドを貼るのは差ほど難しく無いのですが、生来せっかちな性格の故サイドフレームのカーブのカット が何時も正確では無いらしく修正に苦労します、木工パテで何回の重ねて望む曲線を出してポリエステル樹脂で防水 塗装をします。此の樹脂は使用量に1%の硬化剤を入れるのですが、COD BOATの製作で初めて使った時には30ccの使用量 に0.3ccなのですが、入れた数滴の硬化剤少なかったようでよ、金澤さんに是は永久に乾きませんよ、と笑われて仕舞いました、 今回は少量の使用にも100cc作りスポイトで正確にして無駄をしています。
内側からの補強はガラス繊維の布を張ってエポキシで強度を持たせた事も有りましたが、現在はエポキシの二液接着材を エタノールで薄めて木部や隙間へ浸みこませる様にしています。

12月末になってKさんのお願いして置いた推進装置が来ました、早速取り付けて見ると。設計の段階から打ち合わせて いたスクリュウはドンピシャにフィットしました。
プロペラ・スタンチューブ・ジョイント・モーターが一体になった此のシステムは取り付けはビス一本でOK、振動や騒音が無く モーターはこちらの希望する走行スピードに合わせて巻き線を変えてくれてあるので最高です。


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スタビライザーは先ず取り付けます
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においとベタベタ、でも確りと・・・
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kさん作の芸術品の様なラダー
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シンプルだけど高性能     12月20日


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8.NORDKAP(イギリス北海 北大西洋)


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原型はキットです、キットのまま造るを好まないので私らしさを出す木造のビンテージにして見ました。
濡らして柔らかくした檜材の木端を落とし、6ftと思われる長さに切れ目を入れ瞬間接着剤で貼ってあります、 スマートな煙突は似合わないので、薄い銅のパイプに鉢巻きをしてダミーのリベットを貼ってあります、 簡単に出来てしまったので照明に力を入れました、当時 LEDが無かった為豆球を使ったのですが幸いまだ真空が抜けて 居ない様です。

約1/30 75cm  動力6V エンジン音38mm   


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漁船らしいアングル
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7.2Vでプランしたのですが 6Vで十分走ります
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作業灯はプラ板を丸く切って
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夜間作業の雰囲気バッチリ


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年末に入ってキャビンの制作に入りました、前に向かって反り上がったデッキに垂直に立つ円形のキャビンは計算の苦手 な者にとっては難題で少しづつ角度を変えて何とか自然に見える様に調整しました。
出来上がったハルに乗せて見るとshrimpboat らしい姿になって一安心、小物を色々作り始めましたが、これからが見せ場 のマスト・クレーンそして可動するアウトリガーの制作です。


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航空ベニヤ0.5mmで窓抜き
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色々の厚みのベニヤで組み合わせ
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やっとshrimp boatらしい姿に
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小物各種を作る      2014年1月15日


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9.春日丸 (四国 徳島港)


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20年以上前九州に撮影に行く為、マイカーと共に晴海埠頭から乗船した北九州行きのフェリーは食堂や売店の無い 無愛想な船でカップ・ラーメンのチケット6枚を渡された時はびっくりしました。
一夜明け翌日の午後途中寄港 の徳島に入る際小松島付近から港まで伴走して来た漁船があり、是は有難いと横から上から撮影させて貰いました。 日本の漁船は素晴らしい性能とスピードで漁獲を目指して造られ、ほとんどがFRP製(大型船は別)で私の求める 人間味のある暖かい船とは別世界の物、然しながら一隻ぐらい日本の船と造って見ました。

約1/25 70cm  動力7.2V エンジン音50mm   


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日本の漁船らしいハイスピード
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急旋回してもバランス良し
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今回shrimpboat制作で最も難しい、ハイライトとも言うマストとアウトリガーの動力部の制作を鎌倉のK さんとAMEGのKUさんにお任せしましたので、私の出番は何時もと同じ作業でした。

取り外し式にした5度曲がった鳥居型マストは大きなクレーンと重なるつなぎの部分がグースネックになって居り、 又強度を持たせる為各部に切れ込みを入れ,薄いアルミでトップヘビーに成らぬよう補強してあります。
前に造った二隻のサーモン・トローラーのアウトリガーは動かすのがヤットでしたが、今回のSHRINPBOATはアウトリガーの動き メインなので凝って見ました、上げ下げの動きが最も自然なのはテストの結果約五秒となったのでモーターの 減速に苦労しました、低回転モーターにウヲームギアーを組み合わせどうにか、望む回転数は得ることが出来ましたが 力が強いので停止の位置を超えると,アウトリガーを簡単に壊してしまいます、正確な位置に止まる様に25mmの 空間に二個のリミットスイッチとギヤーシステムを組み込んで解決しました。


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細いがガッチリした鳥居型マスト
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マストとクレーンの強度を保つグースネック
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高さ6cm幅2.5CMに詰め込んだメカ
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船腹いっぱいのメカ箱      2014年2月10日


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10.ANTJE アンチェ(ドイツ 北海 バルト海)


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原型はROBBE(graupner)のキットです、例によって決まった同じ物は嫌なので、今回はageingとweatheringを 表現した船を、と木造船にして見ました。
良く湿らせた檜材を適当と思われる長さにカットして木場を落とし 接着剤で貼って有ります、ナイフやヤスリで傷を付けたり剥がしたり古さを出すのですが、綺麗にするより手間 が掛かりますが楽しい時間でした、キャビン内部は海図、古いビーコン以外の生活用品はドールハウス造りの友人 からの貰いもの、フィギュアは北海道へ行った時函館の倉庫街で買った人形がサイズ雰囲気とも本船にピッタリ なので乗って貰いました。
出来上がりをテーブル上で見ると満足ですが、茶色な船体は水上を走らせて見ると まるで木屑が動いて居るようで全く面白くない、そこで青、白二色の綺麗な配色にして見ましたが、スクラッチや 傷の有る年代物の船体と無頼漢の様な船員にはマッチしません、仕方なく再度模様替えをしたのが現在の姿です。

約1/20 55cm  動力7.2V エンジン音50mm   


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本物はこんな色かも?
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明るい塗装にしましたが?
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狭いキャビンには生活用具も
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スピーカーは漁具入れの中
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雰囲気は上々
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良く走ります


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ハル・キャビンとも殆ど完成したので、細かい部品の取り付けとフィギュアの制作です、どうやって造ったのかと皆様 に聞かれますが、私の場合芯に銅線を使い粘土で造る簡単な方法です。
簡単ですが全工程で最も苦労の多い、 そして最も楽しい時間です、然し私の造る漁船達は殆ど資料が無くあらゆる方法で写真、パンフレット、観光雑誌の資料を 探しても中々有りません、まして漁民の風俗、衣装等は全く見ることが出来ません、
インターネットのその国のfishingboatsを開けば少し 有るのを頼りにデザインしています、 客船・軍艦と違って漁船は自由な創造の世界、船の色は百隻あれば百の配色、デザインは得た資料から出来るだけ忠実に造りますが 人物は精悍な船頭、働く漁師、デブの酔っ払い,大漁の獲物に喜ぶ若い衆をイメージを楽しみながら造って行きます。


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右の一体は既製品のサンプル
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粘土で下拵え
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これは太り過ぎて遣り直し
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ほぼ出来ました     2014年3月25日




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つづきます


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